「お久しぶりーっす。」
聞き覚えのある声と、ふいにあの香りが鼻をかすめた。
「!?」
振り返るとニット帽にメガネの緋色が立っていた。
「え!」「お!」
「ど、どうして、緋色さんがここに?」
「あれ?知り合い?紅ちゃんが来る前からちょくちょく来てくれてるんだよ。」
「うん。前は近所に住んでてね。丁度売れて来て忙しくなった頃で、ここが唯一の癒しの空間だったなー。」
緋色は私のイスの背もたれに手をかけながら、
「隣座るよ?すっぴん?いいねぇ。やっとここで会えたね。いつかすれ違ったあの時から紅ちゃんの事気になってたんだよ。」
「あ!顔!てか、え?すれ違ったって?」
「うん、珍しく背の高い女だなーって。僕の隣をスルッと抜けて、外に出た時の顔が印象残ってて。」
「顔…?」
「空を仰いでた、って言うのが近いかな。朝日浴びて良い顔してたよ。」
「あ!あの時の香水!!」
びっくりした。
初めの嫌悪感はどこへ行ったのか。
会えた事に素直に喜んでいたし、家から数分の所に緋色が来ていた事も嬉しかった。
そして一番最初にときめいたこの香りが、緋色のものだとゆうことに驚いた。
彼と柊の事を考えていたこの何日。
色々な葛藤が今すっかり晴れて、私はこの人が好きなんだと、ようやく自分に言い聞かせる事ができそうだ。
聞き覚えのある声と、ふいにあの香りが鼻をかすめた。
「!?」
振り返るとニット帽にメガネの緋色が立っていた。
「え!」「お!」
「ど、どうして、緋色さんがここに?」
「あれ?知り合い?紅ちゃんが来る前からちょくちょく来てくれてるんだよ。」
「うん。前は近所に住んでてね。丁度売れて来て忙しくなった頃で、ここが唯一の癒しの空間だったなー。」
緋色は私のイスの背もたれに手をかけながら、
「隣座るよ?すっぴん?いいねぇ。やっとここで会えたね。いつかすれ違ったあの時から紅ちゃんの事気になってたんだよ。」
「あ!顔!てか、え?すれ違ったって?」
「うん、珍しく背の高い女だなーって。僕の隣をスルッと抜けて、外に出た時の顔が印象残ってて。」
「顔…?」
「空を仰いでた、って言うのが近いかな。朝日浴びて良い顔してたよ。」
「あ!あの時の香水!!」
びっくりした。
初めの嫌悪感はどこへ行ったのか。
会えた事に素直に喜んでいたし、家から数分の所に緋色が来ていた事も嬉しかった。
そして一番最初にときめいたこの香りが、緋色のものだとゆうことに驚いた。
彼と柊の事を考えていたこの何日。
色々な葛藤が今すっかり晴れて、私はこの人が好きなんだと、ようやく自分に言い聞かせる事ができそうだ。