ホームに響きわたる列車の音は、今までに聞いたどんな音よりも哀しく聞こえた。
ガタン…ゴトン…ガタ…ゴト…
次第に速くなっていく車輪の音。
「…かんで…。」
優子は静かに口を開いた。
涙が頬を伝う。
「行かんといて…!」
今見送ったばかりなのに…
たっちゃんと約束したのに…!
必死で列車を追いかける優子。
追いつけないと分かっているはずなのに、それでも必死で走り続けた。
「優ちゃん…。」
達也の目から涙が溢れる。
人を掻き分けながら、列車の最後尾まで行き窓を開けた。
「優ちゃん!」
「たっちゃ――――…!」
