六十年後のラブレター


真っ白な雪が降る。

互いに頬を紅く染め、見つめあう瞳には迷いだらけ。

それでも前に進むしかない。

過酷な現実を受け止めるかのように、優子は震える唇で言葉を吐いた。

「信じとるけん…。」

言い聞かせるような言葉だった。

「絶対戻ってくるって、信じとるけん!」

「優ちゃん…。」

達也の目が涙で滲む。

本当は分かってた…。

もう会えない。

二度と会えない。

だけどそんなことを言ったら今の自分たちを否定しそうで、行かないでって言えなかった。



プ―――――ッ…