六十年後のラブレター


次から次へと溢れだす大粒の涙。

優子は永遠に流し続けたいと思った。

だってこの涙が流れる限り、たっちゃんは優子のそばにいて、優しく拭ってくれるでしょう?

「いつもいつも…待っとるのはたっちゃんじゃったな…。今度は優子が待つ番じゃ。」

そう言って、達也の手をとり顔をあげた。

ゴツゴツしている…男の手だった。

優子は流れ落ちる涙を自分で拭って弱々しくも微笑んだ。