「日本が負けてきとる。俺も戦場へ行かんといけん。多分、ここへはもう――…。」 暴れていた体がとまる。 わざと言葉にしなかったその先は、優子の心を冷たく冷やした。 「…なんで戦争に行くん?死ぬかもしれんのに…なんで…。」 分かっていたことだった。 覚悟していたことだった。 しかし、死ぬという言葉を今耳にしたことで、何かが壊れた。 達也は優子をしっかりと見て呟いた。