ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン
まるでこの吐息のように途切れ途切れに車輪の音が聞こえる。
優子は荒い息を整えながら、ホームに入ってきた列車を見た。
大勢の人々が集まっている。
達也の姿を探すが、人が多すぎてよく分からない。
「っ…たっちゃん!」
泣き声まじりに優子は叫んだ。
背中から全身に浴びせられる声。
「…優ちゃん?」
優子は勢いよく振り向いた。
久々に見た、愛しい姿。
愛しい声。
乾いた音がホームに響く。
優子は思いっきり達也の頬を叩いた。
「なっ…!?」
達也は驚いて言葉にならない。
振り上げた手を見つめ、優子は静かに視線を落とした。
