伝えたい想い。 伝えることのできない悔しさ。 自由のないこの世界のどこかで叫びたい。 抱き締めたい。 「俺…は…。」 「好き…。」 淡い光が顔を照らす。 達也は言葉を失った。 「好きなん…。」 優子の瞳からこぼれる涙が、木漏れ日に染まって美しい。 優子は叫んだ。 「ずっとずっと好きじゃった!」 大粒の涙が頬を下り、感情を煽る。 その時、二人の間を風が吹き抜けた。 達也は抱き締めようと伸ばした手を引き優子に言った。