六十年後のラブレター


「優ちゃん、帰ろう?」

塞ぎこんでいた優子の目の前には、優しく微笑む達也がいた。

びしょ濡れの達也を見て、優子はホッとして泣き喚いた。

達也は荒い息を整えながら、そんな優子の頭を優しく撫でてくれた。

濡れた自分の服を絞り、達也は冷えきった優子の体を拭いた。