「母ちゃん。怖いよぅ!」 迷いこんだ神社を抜け森のなかへと入っていった優子は、大きな桜の木の下にうずくまって呟いた。 「優ちゃん!どこじゃ?返事しんさい!」 吹き荒れる暴風のなか、必死で我が子を探す両親。 しかし、その声は優子の耳に届いてはいなかった。 「怖いよ…怖い。」