英里はいつもこうなのだ。
フランス人のクォーターで、きれいな茶髪の髪を二つ結びにして揺らしながら怒り出す英里をみると
黙ってれば可愛いのに…
なんて思う。
「ちょっとぉ!無視すんな!」
さらにキィーッと声をあげる。
お、おもしろい…
「遥、リアクションしてあげなよ」
「あ、こうちゃんおはよ」
そういって英里の隣の席に座るのは渡部洸也(わたべこうや)。
あたしたちのもう一人の幼なじみ。
背は低めであたしとおんなじくらい。
男のくせに可愛らしい顔立ちでニカッと笑う。
「あれー?洸也、遅刻?」
といって広樹が不思議そうな顔をする。
確かにいつも時間をちゃんと守るこうちゃんにしては珍しい…

