連絡を取ろうにもあたしたちはまだ中学生で、
携帯をもってるのは英里だけだった。
公衆電話を探そうにもこうちゃんが帰ってこないから下手に動くと迷子になるだろう。
「はぁー…」
花火はいつの間にか打ち上げられてて、
みんなで見るはずが、あたしひとり。
こうちゃん…はやく戻ってきてよ
それからしばらく待ってもこうちゃんは帰ってこない。
まわりにいる人はただでさえ少なかったのに、今ではあたし以外誰もいない。
はやく…はやく…帰ってきて…
あたしは不安に押し潰されそうになりながら、こぼれそうな涙をぐっとこらえた。

