とっさにこうちゃんが私の腕をつかんでくれてなんとかセーフ。 「あぶねっ」 それでも押し寄せてくる人々。 広樹と英里とははぐれてしまったらしく見つからない。 「遥、こっち」 こうちゃんがあたしの腕をひっぱり人の波から離れる。 「はぁ、しんど…」 「だな…」 人混みから離れること数十メートル。 あたしたちは人通りの少ない河川敷にたどり着いた。 「は、花火大会って、こんなに、しんどかったっけ…?」 「さぁ…な」 疲労感でいっぱいのあたしたちは、芝生の上に座った