その時なぜだかわからないけど、放課後の英里との会話が頭をよぎった。
恋…
ちらっとこうちゃんをみる。
「どした?」
不思議そうにあたしを見つめるこうちゃん。
「な、なんでもないっ!」
あたしはパッとこうちゃんから目をそらす。
「へーんな遥。」
といってこうちゃんはバスケットボールをいじり出す。
…こうちゃんも好きな人…いたりするの?
心の中でこうちゃんに問いかける。
あたしは幼なじみなのに英里に好きな人がいたなんて知らなかった。
こうちゃんにも広樹にも、好きな人がいないなんて今のあたしには断定できない。
ずっと一緒にいるのに…本当は、本当はみんなのこと、ちゃんとは知らないのかもしれない。
そう思ったら急に悲しくなってきた。
「え…遥!?」

