「あ、ていうか何か用事？」
といって首をかしげるこうちゃん。
あ、そうだった。
「えっと、美波さんに用事があって…」
「母さん？中で夕飯の準備してるけど、あがる？」
そういってあたしを中へうながす。
特に家に入るほどの用事じゃないんだけど…
とは思いながらもどうせ夜ごはんはまだ出来てないだろうし、家にいても暇なので、
「お邪魔します」
と、こうちゃんの家に足を踏み入れた。
「あら、遥ちゃんいらっしゃい。」
中に入ると美波さんがエプロンをつけて出迎えてくれた。
「あ、美波さん、これ。」
あたしは薄ピンクのスマホを差し出す。
「まぁ、遥ちゃんの家に忘れていってたのね、どおりで家中探してもないわけだわぁ。ありがとう。」
と、あたしのお母さんとはちがって上品に微笑む美波さん。(おかあさんごめんね！)
