その日の夜、あたしがリビングでだらだらとテレビを見ていた。
「遥!またあんたはテレビばっかりみて…。」
とぶつぶつ小言をいうお母さん。
「いいじゃんべつに~」
あたしがそういってソファにねっころがると、
ブチッ
「っああああああ!」
なにすんのさ!せっかくいいとこだったのにぃ…!
あたしはうらめしげな顔をしてテレビの電源を切ったお母さんを見る。
それとは対照的にお母さんはにっこりと笑う。
お…鬼!悪魔!あたしの優雅なひとときを返せ!
「はい、これ!」
ポンとあたしの手のひらにおかれたのは薄ピンクのスマホ。
「なに?これ誰の?」
「美波さんのよ」
美波さんとはこうちゃんのお母さんだ。

