何の前触れもなく、緋香莉は目をさました。

そこできゃあ、と声を上げかける。

「あ、あれ、目、さました、よね?」

目の前の男の子は慌てて去って行く。

なんか目が妙に茶色い。

外人さんだろうか。

「ほ、ほら、め、覚ましてるでしょ?」

「うわー、黒髪黒目って。俺初めて見たかも!」

「失礼だよ!?」

何やら茶目の男の子が金髪のお兄さんを連れてきたらしい。

金髪に金色の瞳。

こっちは完全に外人さんだ。

あれ、でも日本語話してるよね…?

「あ、あの…」

「うわぁぁぁ!!しゃべった!しゃべったよ船長!!」

「人がたなんだからしゃべるだろ。ここでワン!とか言い出したらそれこそびっくり…」

「でも!でも!!」

「うっせーなー。ちょっと下がってろよ」

「染色体が違うんだよ!?宇宙族でもないし…」

「そこんとこはワドに聞けばわかるだろ?」

何を言ってるんだろう、宇宙族って宇宙人?


「あ、わり、放置してた」

金髪の、船長?が振り返って私を見た。

「!」

やば、すっごいイケメン…

「お前、どこの星出身?」

「はい?」

「いいから?」

星…?

☆?

「あ…地球?」

「なんで疑問符?」

「…」

「…」

「…」

「…」

「…」

ぎゃぁぁぁぁぁ、と今さらながらに緋香莉は叫んだ。