☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-


「じゃぁ鬼決めるぞ、つーよいーのだーれだっ!?」

その掛け声にゼロは親指と人差し指を立てて突き出す。

シルンは拳の形にして右手を突き出した。

テルも同じく拳を突き出したが、ウィングとキースは困惑している。

「なんや、それ」

「知らねぇの?拳と銃と盾だろ?」

「…なんか物凄く戦闘系だね」

「…魔界にしか存在してないんですね…意外です…」

「私もワドに教えてもらったけど…天使ってこれ知らないんだ」

人間界で言うじゃんけん、それははるか昔から慣れ親しまれてきた一種の賭け事、というかゲーム。

拳は盾に強く

盾は銃に強く

銃は拳に強い。

「へぇ、そんなのなんだ。僕らのとこは話し合いで解決するよ」

「…超平和的」

「魔界ではありえないシチュエーションです…」

シルンとゼロが遠い目をした。

「っていうか、そんな命知らずな鬼ごっこやるか!」

「いいじゃん、何事も挑戦だろ」

「挑戦なんかそれ!?ホントの意味で“必死”やないか!?」

「とにかくここで!3、2、1!?」

ぐっと親指を立てて突き出して微笑んだテル。

半ば反射的にキースとウィングが敬礼して笑う。

「いえっさー!!」

「…」

沈黙したシルンとゼロに向かってテルは敬礼と満面の笑みで宣言した。

「これぞ本当の“カルチャーショック”!!」


「…で?」


天使の遺伝子に書き込まれた“はいチーズ”。

ゼロと、ワドに教えてもらっていないシルンは知らなかった。