なぁ、体はどうなの?
上々とはいいがたいけどさ、別に普通だから。
そんなこと言って死期早まったらどうする…!!
それはそれでいいだろ。
良くないって…だって…っ
はいはい、お兄ちゃんはうれしいよ。
…何で黙ってるんだよワド!!
おい、八つ当たりするなよワインレッドに。
だって、だって…
あんま良くないのは神様のせいだろ?
そんなの、大っ嫌い…
進行は極めて速い。お前だってわかってるだろ?
知ってる!知ってるけど!!
ならしゃーないだろ?無駄な延命措置でワドの手煩わせたらダメだろ?
うるさいっ!!
おい、キング言い過ぎだ…
ははっ、保護者がいるから安心だな。俺も。
保護者じゃない。
分かってるって。でも、よろしくな?
…そんなこと、俺に頼むな。
どうせ死ぬんだぜ?
おい…
キングの馬鹿っ!!!
駆け出したあいつをだれも止めようとはしない。
ワドは唇をかんでキングを見据えていた。
「あんな言い方はないんじゃないのか」
「あのくらい言っとかねぇと。大っ嫌いくらいだったら俺も気が楽なんだけどさ」
「余生を楽しめ」
「皮肉か。どうやって楽しめっていうんだ?」
「色々あるだろう」
「ないな。生まれてこの方、妹以外に興味というものを抱いたことがないかーら」
「…ある意味変質者だからな、今の発言」
「手厳しぃねぇ」
おどけて微笑むキングを、表情のほとんどない顔でワドは見ていた。