「じゃあな、俺疲れたから寝るわ」
ウィングはそういって、大あくびをして軽く伸びをした。
「あ、それとさ」
わりぃ言うタイミング無かったんだけど。
「キースとこっちの星歩いてる時に、伝説の妖精の話と噂聞いたのよ。知ってる?」
それはワドに向けられた質問のようだった。
「知っている。悪魔科妖精の…奇跡の、治癒の妖精」
なんだ、とウィングはつまらなさそうに言った。
「お前って本当になんでも知ってるよな…」
「その事に関して言えばだ、俺は悪魔なんだから俺の方が詳しいに決まっているだろう。それに彼女は俺の…ぁ…研究対象だったし」
「研究…?」
「あぁ…研究対象だった。まあ魔界の研究者はだいたい彼女の事を研究した…まあ、言わば流行りだ」
「彼女はってことは女?妖精だからって可愛いもんなのかぁ?」
「可愛い。…と聞いてるぞ。幼い少女だ。それで、どういう噂だウィング」
「え、しんねーの?」
「噂なら山ほどあるだろう。実は偽物だとか人格がないらしいとか血縁者がいないとか」
「あーっと、なんだっけキース?俺話しか覚えてねーや」
「…もう。ここにいるって噂でしょ」
「ここ」
「ここっていうか、Death-planetに?天界にいたらしいんだけど、ここにいるって噂だよワ…ド…?」
キースはフッとワドを振り返って、首をかしげた。
「ワド…?大丈夫?」
膝から崩れ落ちたワドはガクガクと震えていた。
「どうし」
「大丈夫だ。ちょっと…ショックで…」
「はぁ?なんで?」
ウィングが不思議そうに首をかしげる。
「いや…魔界の…貴重な…財産だからだ…死なれたら損失が計り知れない」
「あぁ、そういうこと?ワドってほんとビジネスマンだね」
キースはクスクス笑ってそう言った。


