そんなこんなでワドの浮気そうどうは収まった。
しかし。
「リーダー、もっともっと…」
「酷い、俺も入る!」
「あ、主さまリオばっかし…」
「んー!ナギサもいっぱいよしよしされたくせに!」
サブはワドの足と足の間を陣取り、リオーナギサは二人とも膝枕をされている。
残念ながら起きるのが遅いキメラは場所が取れずに背中に乗っかり、それでも公平に時たま顎の下をくすぐられて幸せそうに笑っている。
「本当に…仲良しだよね…」
「だんだん疑惑が増えてくな、あの美少年」
シルンは早朝に散歩に出て、テルも相変わらず帰っていないので甘える四人を可愛がるワドとウィングとキースしかここにはいない。
「いーかげん甘やかすなよワド。どんどん疑惑が増えてくぞ」
「いい…こいつらには普段から世話になっている。俺がいるときくらいは甘やかしてやってるんだ」
前につんのめりそうになったキメラを支えてやりながらワドは言った。
「今日1日、たっぷり可愛がってやるから明日から仕事に勤しめ。いいな」
「はぁい…」
「うん…しあわしぇ…」
「んん…はーっ…」
「ん…向かって右に同じくぅ…」
だらけきっている。
「…幸せそうだね」
「いやしゃれるよぉ…リーダー、もっと…」
「ああっ!酷いリーダー、ほっぺたふにふにしてぇ…」
「うぅ…さわさわ幸せ…」
「うぁ…僕もしゃわしゃわ…」
昨晩は全員この瞬間のために生きているのだと豪語していたが、たしかに命を懸けるレベルの幸せ顔だった。
「ウィング、キース。お前ら街に行かないのか」
「なんかさ、証人いないと疑惑ってのは晴れねえしさ、うん」
「ウィングは疑惑を真実だって売り出したいんでしょ」
「…」
無表情にキメラの耳の後ろをコリコリとかいて、反対の手でサブの頬を包むようにつっついているワド。
表情が恐ろしいほど変わらない。
「なかなか可愛いだろう。やっぱり子供はいい。やってるこっちも癒される」
嘘つけ、とウィングは思った。
きっかり一人十五秒ずつの交代がされているのだ。
しばらく四人は至福の一時を味わい、トロンとした瞳でワドを見ていた。
「眠いのか。子守唄でも歌ってやるぞ」
ワドがそういったが、四人は目先の利益(子守唄)よりも後々の大きな幸福(一緒にいられる)を優先するタイプなので断った。
ということで全員街に出かけた。
キメラも深々とフードを被って必死についてくる。
しかし普段からハードワークが目立つサブは途中休憩中に寝入ってしまい、ワドに抱え上げられて爆睡。
異様に寝顔が幸せそうで、他三人は冷たくサブを睨んで拳を握っていた。
そしてワドがいなくなったあとにサブが暴漢三人に襲われ袋叩きに遭うのは明日の話。
途中シルンや船長とも合流し、また始めに来た場所に戻って。
そこはもう夕方だった。


