「此処だ、ヒカリ」
連れてこられたのはパン屋さんで、ヒカリはそこをジッと見つめた。
「兄が一人と弟が一人できる。兄は現在17、弟は5つだ」
弟はそこに座ってるぞ、とワドは藍色の髪の男の子を指差した。
「彼はサシャだ。…と、珍しい奴がいるな」
ワドはカツカツと歩き、金髪のクロワッサンを食べている女の子の肩を叩く。
二言三言言葉を交わすと、ワドは逃げないようにがっちり女の子の肩を抱いてヒカリの前へ連れてきた。
「こいつはメープル。俺の友達だ。滅多にいないが、見つけたら仲良くしてやってくれ」
「…っ、ちょっと!」
「なんだ、メープルちゃん。何か文句があるのか」
「う…むぅ…」
「まあ、可愛い奴だろう」
確かに可愛い。
瞳はパッチリしていて睫毛は長くて小顔で。
はいているサンダルから覗く素足もびっくりするほど綺麗な白だった。
ワドと年は同じくらいで、身長も同じくらいだった。
女の子としては、だいぶ高い方だと思う。
「あの…よろしくお願いします…メープル…さん…?」
「あ、えと、うん、よろしくね」
じゃあ、と慌ただしくメープルちゃんは何処かに行ってしまった。
「シャイなんだ。許せ」
「え!?全然気にしてないですよ…?」
「じゃあいいが」
ワドはパン屋の扉を開けてヒカリを入れた。


