「悪いんだけどさ、リオーナギサって何?」
「ヒトだ」
「本当に?」
ウィングはクイ、と首をかしげて言った
「疑うな…一卵性の双子だ。年は十二、賢者の一人…いや二人だ」
なかなかユニークな性格をしてるがな、とワドはそういってパンパン、と手を叩いた。
「リオーナギサ」
「はっ!」
「お呼びでしょうか、我が主(アルジ)さま」
現れた凛々しい少年は着ている服まで瓜二つで、口の動き1つとっても違うものが何もない。
「愛してます」
「右に同じく」
「…」
キースは肩をすくめた。
「…また?」
「よしよし、いい子だ…だいぶ上手くなったなリオーナギサ。次は魔法陣の移動を教えてやる」
「僕は主さまと蜃気楼で移動したいです。できることならだっこされたまま」
「左に同じく」
「…」
ユニークな性格だ、うん。
「お兄様方はどこにいらっしゃるのですか主さま」
「主さまと僕らの邪魔はさせたくないです」
「主さま大好き」
「大好き」
「お兄様の一人はそこで丸くなってる。もう一人はこの中だ…今から別荘に行こうと思うんだが、ついてくるか」
「地獄の果てまでついていきたい」
「右に同じく」
幸せそうに言った二人は、遠慮なくワドにとびかかった。
「離れろ、リオーナギサ。子供か。おい、見た目と中身が一致してるだろうお前らは…おいリオ、入るな」
ワドはこっそりコートのフードに入り込もうとしたリオ(何で分かるのだろうか)をつまみ出して地面に置くと、残った方も持ち上げて地面に置いた。
「どっちがどっちか分かるの?」
「当たり前だ、ナギサ。大切な家族だと言っただろう…」
「うぅっ」
「うぅっ」
「…何故泣く」
頭を撫でられた二人は幸せそうににっこりしてポロポロ泣いてしまった。
「…」
「こいつら何?」
「だからヒトだ。一卵性の双子。異常に似てるが…見分けられないほどか」
「リーダーは優しすぎるんだよ。リオーナギサとか二人で一人じゃん。一人じゃなくて二分の一人だろ」
キメラはそう主張した。
「正直見分けがつかないんだけど…服だけでも変えたら?」
キースが提案するがワドはスッと目を細めて言う。
「…ペアルックの双子って可愛くないか」
「ああ…そう…」
今だ号泣し続けるリオーナギサをちらりと見て、キースは呟いた。
「無自覚…だね」


