「ずいぶんリーダーさんに陶酔してるんやなぁ、マインドコントロールでも受けてるんと違う?」
ウィングは皮肉混じりにそう言ったが、意外にも返事はキメラから発せられた。
「リーダーはそんなことしねーよ。そのまいんどなんとかってさ、そういう力がないやつがやるんだからさ」
キメラはあの気だるそうな調子はどこへやら、熱っぽく語り始めた。
「リーダーは俺を救ってくれた。サブもだ。俺たちは賢者になるためにどんな試練でも乗り越えてきた。リーダーはいつでもやめていいって言ってたし、俺達がくじけそうになったときも優しくしてくれた」
「…」
「賢者になれた後も、仕事はたくさんあってホントに辛くて。でもリーダーは俺達を支えてくれた。ミスしたら怒るけど見捨てなかった。どれだけかかっても、正しい事を教えてくれた」
「…ふぅん」
「だから今度は、俺がリーダーに恩返しするんだ。リーダーは俺を助けてくれたし、支えて守ってくれた。次は俺の番だ」
キメラは、なぁとサブに同意を求める。
その瞳は輝いていて、澄んでいた。
「あったりまえだろー。それにリーダーに操られてたとしてもさ、僕は…リーダーに利用されたい。それでもいいって位の恩が、僕らにはあるんです」
それにリーダーイケメンだし、と冗談混じりにそういって、サブは幸せそうに微笑んだ。
「…ふぅん」
恩、ね。
ウィングは薄く笑った。
借り、じゃないのかよ。


