☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-


「よしよし、いいんだよしゃべれたって。僕はワドの声大好きだもん。ね?」

けっこう傷ついたらしいワドは黙ってキャンディーを頬張っていた。

キースの言葉にも、フイとそっぽを向いて無表情に無視する。

あーもう、とキースはうめいた。

「なにしてくれるんだよ馬鹿船長!あんなこと言われたら誰だって傷つくよ!特にワドはこう見えて結構ナイーヴなとこあるんだから!」

「んなこと分かってるってばうっせーなー。ほらワド、ごめんったら」

ワドは大好きご主人様の言葉にも耳を貸さず、シルンが持っていたホワイトボードをヒョイと取り上げた。

『謝らなくてもいい。俺はご主人様の傀儡なんだからご主人様の命に従ったま』

船長以外は“傀儡”が読めなかった。

しかしワドは問答無用とばかりにホワイトボードを取り上げられて、テルに真っ二つに折られてしまった。

「…」

「ワド、喋ろうよ、マジで」

「…ご主人様が嫌がるから…」

「全然いやがってないってば。ったくもう」

これだからワドは、と言わんばかりにテルはやれやれと首を振った。


「それよりもさ、ヒカリちゃんどうすんの?変な奴もいるみたいだし」

言ったのはウィングだ。

それを受けてワドは、遠慮がちに話す。

「ユートピアに連れていく。奥の手だがまあ最善の手だ」

「何ですか?ユートピアって」

ヒカリがそう聞いたが、思ったのはヒカリだけではないようだった。

「…船で話す。人に聞かれると良くないからな」

「んじゃさっさと戻るでぇー」

水晶が砕け足元に展開した魔法陣に、全員落ちていった。