「お姉さん、一緒にいたやつはシルバーレインボーだよな?」
「はい?」
「だーかーら、おねーさんシルバーレインボーと一緒にいたじゃんね」
シルバーレインボーというのがシルンの名前だと分かるのに数秒を要した。
「あの…そうですけど」
「あー、マジ!?」
「俺らアント&ダックつーの。よろしくな」
「それでさちょっとついてほしいとこが」
「あんだよな~♪」
アント&ダックと名乗る二人の男はそうヒカリに言って、腕をつかんだ。
「いこーかー?」
「え、ちょ、離して下さい、離して!」
「それは」
「できな」
「い」
「相」
「談」
「だ」
「よ」
「なぁ」
口をタオル生地で塞がれてしまいうう、とヒカリはうめく。
と。
「グヘッ!」
かわいそうとヒカリが思ったレベルの飛び蹴りが思いっきり鳩尾に入る。
間髪いれずに左腕で殴り飛ばされたもう一人を冷たく見下ろしたワドはこちらを振り返って言った。
「怪我はないか?」
はいと言うが早いか、今度は荷物担ぎに変更されて連れていかれた。
絵面としてはこっちの方が誘拐っぽいんじゃないか、とヒカリは思った。
「っていうか、喋れるようになったんですか!?」
「ああ。一応は」
じゃああの感情豊かな掛け合いはもうなくなってしまうのか。
ちょっと寂しい気もしたけれど、まあ嬉しいことなので良かったですねと言っておいた。
「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!喋れるようになっちゃったのぉぉぉぉぉぉぉ!」
「…」
テルは超嫌そうにそういった。


