その店を出てから少し、クリアボックスに詰め込まれているキャンディーを頬張りながらワドは不本意そうに歩いていた。
店の支払いにもひと悶着あり(俺が奢るという主張をテルに退けられた)むくれているのだ。
「…なんかワドってさ、文字の方が感情がダイレクトに伝わってくるよね…?」
キースの遠慮がちな言い種に、言えてるぜ、とウィングが同意。
「顔かわんねーもんな」
キースは苦笑しながら頷く。
そんなときそう言えばさ、とテルが思い出したようにワドに言った。
「お前なんか速換ソフト持ってなかった?つか無くても作れねえの?」
「あ、そう言えば」
と、これはウィング。
「お前エンジニアじゃんか、脳内プログラムメールとか出来るだろ?」
脳の電磁波を観測しそれを文章に置き換えるソフトのことだが、確かにそれを使えばいちいち書かなくてすむ。
と、ワドはカキカキと音を出しながら返事を書いた。
『そんなことできるか。アホ』
「アホ!?」
『そんなことしたら俺が24時間×××のこと考えてることがモロバレ///』
「まてよおい×××ってなんなんだよ!?」
『普通に意味はないぞ?というか、頭の中が筒抜けなんてそんなの嫌だ。×××のことを色々とだな…』
「だから何だよそれ!?ややこしいことこの上ねぇし!!」
「それ以前に色々ってなんだ!?」
しばらく思案してワドはウィングの頭を叩いた。
『聞くな』
「誤解を解いとけこの謎多き美少年が!謎が疑惑に変わるのも時間の問題だからな!?」
『×××のことを考えていて何が悪い。俺の勝手だ』
「開き直るな!○○○にしろよ百歩譲って!」
テルが提案するが、ワドはふいとそっぽを向いてホワイトボードをつき出す。
『×××の話題終わりな』
「理不尽!?」
一方的に打ち切られた会話にテル以下2名が揃って叫んだ。


