☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-


「キング、ワドが…」

テルが飛び出してきて、キングに言おうとする。

しかしキングはヒカリと激しく言い争い、それどころではなかった。

「どうにもならないんだよ!!だから俺が治療に当たってるんだ!」

「ワドさん一人を助けて、偽善者気取ってるの!?最低!!」

「違うって言ってるだろ!!」

テルは取り付く島もなくうろたえていた。

ワドの話か…?

偽善者?

偽善者ってどういう…?

「奴隷なんて間違って…」

「ない。ヒカリ、魔法科は中止だ、魔界史と公民について勉強しようか…」

「ワドさん!!」

「ワド!?」

あんなに縛ってきたのに、なぜ…

そう思って、テルは唇をかんだ。

気が動転してたんだ。

ブーツのまま縛るなんて…脱げばすぐに解けるのに…!

「現在、魔界には数多くの奴隷がいる。その奴隷は主に二種類に分けられる」


栽培奴隷と捕獲奴隷。

前者はそのまま、家畜どころか植物同然に栽培された生まれながらの奴隷。

大量生産が可能で、遺伝子操作によって品質が一定に保てることから、こちらが主流になっている。

もう一つ、捕獲奴隷の方だ。

そっちも名前通り、捕獲された奴隷だ。

主に堕ちた貴族や庶民、その下の貧困民層なんかけっこう捕まるらしいな。

質はいいんだが、悪いところがあるとすれば忠誠心のなさだ。

そのために調教師がいる。

イルカと同じに、人間に芸を仕込むってことだ。

だがそっちは採算が取れなくなることがままある。

色々金がかかるんだよ。

だから、高価だ。


分かったか、とワドはヒカリに尋ねる。

返事を待たずにワドはまた話し始めた。

決して許せないような、理不尽な、気分が悪くなるような話。


魔界の奴隷制度はずいぶん前から当たり前のように存在している。

大きな発見には奴隷の力が必要不可欠だった。

人権を無視して人体実験ができるし労働力にもなるからな。

そのためか、魔界は爆発的に発達した。

悪魔は悪魔らしく、道徳を捨てて、進化を選んだというわけだな。


さて、次は奴隷の栽培方法について確認しようか。

ゼロさん…いるんだろ。

仕組みを説明してください。


L君、とゼロがため息をついた。

「どうして君はいつもそうなんでしょう」

「説明してください」

「…幼いころから、父や母、周りが働くのを見させて、覚え込ませます。自分は卑しい身分だと。そして、機械的にその世代で最も美しい二人が何組か選ばれ、また子供を産ませます…」

本当に、むかむかするような話だと思えるようになったのはL君がわたしに道徳心のソフトを組み込んでくれてからですが、とゼロは付け加えた。