☆Friend&ship☆-季節はずれのモンスーン-


次の授業までは30分の休憩時間が与えられて(長すぎやしないだろうか)ワドとテルは例の“お話し”をするため、ワドの部屋に閉じこもった。

そして今ヒカリは、キースやウィングと一緒に、口論をしていた。


「そんな、野蛮です!!」

「そんな怒らなくても…」

「だって、信じられない…!!まだ、まだ…」

ヒカリはギュッと唇をかんだ。

「奴隷制度が廃止されてないなんて!!!」


ヒカリはドアを開けようとしたところだった、その時ワドがテルに向かって叫んだ声を聴いたのだった。

「ご主人様、ご主人様ぁぁ!!!」

「!!」

ドタバタと音がして、そのあとまた静かになった。

そしてそのまま、ヒカリはキングに聞く。

あの二人の関係って、何?

「…ワドが一方的に思ってるだけなんだよ、自分は、テルの物だって」

「信じられない…!!」

「なあヒカリちゃん」

「信じられない…!こんな人たちだとは思わなかったです!!」

「違うんだって、本当に。ワドが勝手に…」

「そうだったんですね、それで…」

異様な栄養不足は、ひどい虐待を受けてたからなんだ、とヒカリは思った。

きっとゼロっていうのは、そういう施設のスタッフみたいなものなのかもしれない。

だからあんなに親しく…それに、テルに敬語を使ってたのは、そうだったからなんだ。

奴隷だったから。

「違うってのに…!!」

「おい、何言い争って…ああ、大体察した、ええで、説明しぃへんでも」

キースを連れてウィングが近寄って、少し離れた。

キースは悲しそうにうなだれた。

「なあ、聞いてく」

「奴隷制度なんて、人道的じゃない!!酷い!そんなこと、許されていいわけが…」

「あのな、奴隷っていうのは、魔界独特の文化で、俺らは違う。神族にもいくらか買ってるやつはいるみたいやけど…」

「おいウィング!!」

弁解するようなその答えに、ヒカリはさらにいら立った。

この人たちは考えたことがないのだろうか?

奴隷ってどんなにひどいものか。

地理の授業で奴隷貿易の話を聞いた時には、本当にショックだった。

どうしてわからないんだろう。

どうして…

「ねぇ聞いて、僕らはワドのことを仲間だと思ってる。でもワドはそう思ってないんだよ」

「口でならどうとでもいえます!!酷い、そんな、野蛮です!!」

「そんな怒らなくても…」

「だって信じられない…!!まだ、まだ…」

ヒカリは地面に向かって叫んだ。

「奴隷制度が廃止されてないなんて!!!」