保健室を出た直後。わたしはひどく驚いて目を大きく見開いた。 目の前に是永くんが壁に寄りかかって立っていたのだ。 「体調は…大丈夫なのか?」 「あっ、え…えっと……」 是永くんに会ったらお礼を言って、あわよくば告白しようか、などと考えていたのに、いざ急に本人を目の前にしたら言葉が上手く出てこない。 ていうか、なんだろう? もしかして、わたしを気遣って待っていてくれたの? なんて、自分に都合の良い解釈が頭の中を駆け巡る。