「どお?バイト慣れた?」

お弁当を広げながら佐恵が聞いてきた。


「うーん…。初めてのバイトだから、勝手がわからなくて、全てが新鮮で全てに緊張するよ。でも楽しいよっ!」


「そっか。最近のアリサって楽しそうだからバイト始めて良かったと思うよ」


「ありがとー」



最近は女子に囲まれてる是永くんを見ても、気にはなるが、以前ほど耳ダンボになることはない。
佐恵と楽しく昼食をとれるまでに、わたしの心は余裕が出来たようだ。



「でもさぁー、お化粧はあんまりしてないよね??」

わたしの顔をまじまじと見て佐恵が言った。


「うん。学校ではあんまりしたくないなぁっと思って…。一応、お家で休日用に練習してるよ」


あんまり変化が見られなくて佐恵からダメだしされるのかと不安になりながら答える。


「だよねー。あんまりやり過ぎない方がナチュラルでいいと思うよ。
うん! 今ぐらいが丁度いいよっ」


予想外の肯定をにこやかに示してくれて心強い。嬉しい…。



「なんといっても、アリサが明るくなって楽しそうにしてるのが良いよっ!
可愛くなったなぁーって思うよっ」