数分、この体勢のままただ泣いていた。 佐恵は何も言わず隣に座っていてくれた。 「あ、あの…あのね、佐恵…」 わたしは先ほどあった出来事を佐恵に話そうとするのだが、なんと言えばいいのか上手く言葉が出てこない。 涙と震えはやっと止まったのに。 佐恵はわたしに立ち上がるよう促すと、わたしのカバンも持ち、 「帰りながら話そう」と提案した。 そうしてやっとこの場から離れたのだった。