天宮涼音
「気安く話しかけないでください。」
なんでもないような顔で彼女は爆弾を投下した。
シーンと静まり返った教室。
俺もどうしていいかわからず、黙っていた。
そこに慌てた様子で教壇に駆け寄ってきたのはこのS組の担任。
担任教師
「天宮さん、なんでそういう事言うの?」
新米教師の担任は、まるで小さな子供を叱っているような雰囲気だ。
ある意味では彼女を挑発しているんじゃないかと思う。
でも、彼女は表情を変えることなく担任に向かって口をひらいた。
天宮涼音
「話しかけてほしくないと言ったまでです。それもわからないんですか?もう一度教育大学に行ったらどうですか?」
吐き捨てるように言うと、教壇を降りて窓側の一番後ろの席についた。
