「それでは参りましょう」

こほんと咳払いして通常通りの冷静さを取り戻した守山は恭しく頭を垂れてエスコートする。

表に停められていた高級感溢れるリムジンに乗り込むと滑るように走り出した。

料亭に着くと、守山が後部座席のドアを開け恭しくお辞儀する。

私は差し出された守山の手を取り、少しでも気を抜いたらバランスを崩して転びそうなほど高いヒールを踏みしめながらゆっくりと歩きだした。

……さぁ、闘いが始まる。