やっと駅に着いた頃には30分を回っていた。
間に合ってくれ…!!
急いでホームに行った。
でも、なんもねぇ……。人も、新幹線も…。
遠くのほうに新幹線の後ろだけが見えた。
間に合わなかった……。
その場に座り込んだ。
まだ何も伝えてねぇ…。
まだ何にも伝えてねぇのに……。
俺の本当の気持ち伝えてねぇのによ…。
汚れたホームのコンクリートの床に黒いシミが出来てゆく。
「…ーっ!!何でだよっ!!何で黙って行っちまうんだよ!!」
俺は叫んだ。
みんなが見ている。
そんな事関係無しに…。
「行くなよっ!!好きって気持ち伝えてねぇんだよ!!純っ!!!」
「何?かなちゃん」


