朝と昼と夜。〜朝〜

卓也はその場にいた者に話を聞いた。昇が言ったことと変わりはなかった。数人でいた拓郎達を20人近くの兵隊で取り囲み、袋にされると思ったという。それなのに頭らしき男が出てきてタイマンを挑まれたと。拓郎は、その男気に嬉しそうに答えたと言う。その男に卓也の影を見たのかもしれない。

しかし、タイマンが始まって事態は急変した。

その男の狂気の性は尋常ではなかったという。その場にいた者の全てが、拓郎が殺されると思ったらしい。当時の状況を思い出したのか、カタカタと体を震わせ始めた。

『犬山町のブラックエンジェル…』

卓也は拳を握りしめた。

『卓也、ケジメは俺たちがつける。』

昇が言った。

『拓郎が勝てない男に誰が勝てる。結果はどうあれ、相手は筋を通してタイマンを張ってる。袋にするなら、お前らは男じゃない!』

卓也の言葉に、メンバーは言葉を失う。

『拓郎なら大丈夫だ!殺しても死なねえよ!後は俺に任せろ。』

『わかった。』

昇はそう言って、ブラックエンジェルの勢力図を渡した。そこには頭や幹部の情報が全て記載されていた。



ブラックエンジェル 初代総長


伊集院 久須(イジュウインクスオ)


『伊集院…久須…?』