朝と昼と夜。〜朝〜

昇は静かに口を開いた。

あれは、卓也の引退集会の直後の出来事だった。エンペラーの3代目が引退したという知らせは瞬く間に各地に広がった。しかし、無駄な抗争を嫌って卓也は、総当たり戦ではなく、代表戦を好んできた。小さいチームも、エンペラーの首を狙ってどんどん挑んできたが卓也の足元に沈んでいった。そして、卓也の魅力に取り付かれ傘下に収まって行った。いくつか傘下に収まっていないチームがある。そこが卓也の引退を期に攻めてくるんじゃないのかと言う不安な意見もあったが、卓也はそれはないと思っていた。卓也の思惑通り、他チームはエンペラーに攻めてこなかった。

一つのチームを除いて…


その名は、ブラックエンジェル。

犬山町に出来た、まだ1年目のチームだ。チーム構成も20人ほどで、気にもしていなかった。そのブラックエンジェルに拓郎は襲われたのだ。