『………』

2人の間に沈黙が続く。決して嫌な時間ではなかった。ただお互いにいろいろな思いが交錯する。加奈子の彼氏である卓也と話している所を見られると、また加奈子の嫌がらせが始まる。卓也は心を鬼にしてその場を離れた。悲しげな久美の視線が背中に突き刺さる。久美はまだ自分の感情に気づかないでいた。

次の日

副賞が全校生徒に発表された。羨ましがる者もいれば、ブーイングする者もいた。そんな中、久美は複雑な思いを抱いていた。自分がされる事も、している卓也を見る事も、なぜか嫌な気がしていた。

そんな複雑な思いを抱えたまま、投票日を迎える事になった。