「亮哉、走ってたよ。
……ちゃんと、早い時間から起こしてあげなよ、本当……。
じゃあ、私 伊織と話してくるから 待ってて。」
「……あぁ、分かった。」
陽翔に断りを入れてから、伊織の方に行った。
「亮哉、もうちょっとで来るって。」
伊織は安心したような顔をした。
「私のことなんて、どうでもいいから 放ったのかな、って思ってた。」
いや、亮哉は何があったとしても そんなことはしないと思うけど……。
でも、そうだよね。
伊織はまだ亮哉との付き合いも長くないから 不安に思っちゃうよね。
「いや、それはないと思うぞ⁇
昨日、亮哉 遠足の前日の小学生みたいにずっとそわそわしてたから。
周りの奴等に心配されるくらいに。」
陽翔、急に会話に入ってこないでよ……びっくりしたじゃん。
「何気に 遊園地とかお出かけとか、好きですよね。」
凪兎まで入ってきた。
もちろん、心優も。
「そうなんだ……、って あれ、亮哉じゃない⁇」
結構 猛ダッシュでこっちに向かってきてる人。
「あぁ、そうだな。」
「……8分27秒、遅刻です。」
「悪い、寝過ごした。」
「気にしてないよ。」
「全員、揃ったみたいですね。」
「行きましょう。」
……何で、伊織と心優 敬語なのかな⁇



