「……俺がかける。番号、教えて。」
私は 携帯の連絡先から伊織の番号を表示させた。
それを亮哉の方に向けると
「ありがと……もう、いいぞ。」
って言った。
「今かけるの⁇」
亮哉は首をフルフル振った。
「……帰ってからな。番号、メモっただけ。」
亮哉らしいや。
まぁ、こんなところだったら マトモに伊織と話せないよね。
きっと話し始めたら 陽翔とか陽向・琥珀あたりが琥珀にちょっかい出し始めそうだし。
一年の付き合いの私が分かることなんて、もっと付き合いの長い亮哉にとってみると 簡単に分かることだろうし。



