『ていう感じ。だからね、みんなには私と同じ地獄を体験してもらおって思って、集まってもらったの。』


「…“Avenger”って…どういう意味?」

私がそう尋ねると、


「…復讐者。」

森永陸翔が、そう呟いた。

陸翔は、学年一の秀才だった。
この様子だと、きっと今でも勉強がお友達。昔からそうだった。


『おっ!陸翔君だいせいかい!

つまり、私がアベンジャーになって


みんなに復讐するってことだヨ。』


日奈子の声に、背筋が凍った。

顔は笑っているけれど、目は笑っていない。



「じ、冗談じゃない!」

「帰ろうぜ!」

「こ、怖いよ…!」



『帰さないよ?』




その途端、シュー…という音が聞こえてきた。




『ゲームの設営に、ちょっと時間がかかるから、みんなそれまで寝ててね!』




なにこれ、眠っててもらうってことは…催眠ガス…!?

ゲームって、何!?


「なつめ!」

「蓮太郎…」


私はとうとう立っていられなくなって


蓮太郎とともに倒れ込んだ。