我ながら…考え無し。受験するくらいの頭があるなら、もっと別の方法があるかも知れないのに。 いつの間にか、樹達は見えなくなっていた。 「よかった…気付かれなくて」 足元に、雪ではない温かい雫が落ちた。 「―…ごめん…好き…」 届かない言葉を、何度も何度も繰り返す。 やっぱり…忘れられない…