由は舌打ちをしてキッチンで作ったコーヒーのカップを机に置き私の隣に雑に座った


「・・あの手紙にムカついたんだよ
何が育成した「赤」だよ
赤をロボットみたいに言いやがって
あんな笹山組の奴等に渡すかよ
俺の浬士を誰が報酬なんかでくれてやるかよ
胸糞わりぃんだよ・・殺してやりてーぐれぇだ」

由は私のほうを向きながら言った

私はニコリと笑み由に抱きつきあごを肩に乗せた


「怒ったら駄目
由がそういってくれて安心した
私は由から離れないから」


「浬士・・」


「由、抱き締めてよ」

由は力強く私を抱き締めた


「抱いてじゃなくて抱き締めて、なんだな」

さっきのような刺々しい喋り方ではなく優しい声に変わった


「抱き締めてくれた方が暖かいから安心する」


「初めて浬士から抱きついてきたな
嬉しいな」


「怒ってたから抱き締めたら暖かくて安心すると思って」


「あぁ安心した
浬士を確認できてよかった」

由は私の髪を優しくなで始めた

私は目を閉じた


あぁ・・神田晶子の件、話さなきゃな・・