若頭の溺愛




「はい、いつもの。頑張ったお礼だよ。」





「ありがとうございます。」





いつものを受け取ると、おじさんは''またね。''と笑って、帰っていった。





嬉しくてちょっとだけ笑顔になる私。





いつものやつとは、お弁当のこと。





なんでお弁当もらってるかっていうと、この職場で働いてるのは50代60代のひとが多くて、10代なのは私だけ。





だから職場の人達が、頑張ってるご褒美っていって、私がバイトの日はいつもお弁当をくれる。





とってもいい職場だ。




私は、カバンの中におじさんからもらったお弁当をいれて、職場の人達に挨拶をして、職場をあとにした。





私は、通り道のネオンの輝いてる繁華街を歩いていた。




22時というのに繁華街はうるさいぐらいに賑やかだ。





明日はバイトがないし、ご飯の買い物でもしようかな。


いつもだったらすぐ帰るのに、この日はなんだかそんな気分だった私は、繁華街へ入って、ご飯の買い物をした。





この時私は知らなかった。
運命の歯車が動き出していることに。