若頭の溺愛




まってまってまって!




なんで逆方向に向かうのよ。





「学校に遅刻しちゃうじゃない!!」






私は、少し大きな声で言った。





今日、英語の小テストがある。





これをやらないと学校に半分行っていない私は、単位がとれなくなる。






なにがなんでも今日は学校に行かないと!





だが、彼は聞く耳をもたずそのまま歩きすすめる。






なによコイツ。






「ねえ、手を離して。」







私がそう言うと彼は足を止めた。





よかった。これで学校に行ける。






だが彼は足を止めたものの、手を離してはくれない。






すると彼はどこかに電話をかけはじめた。