「これどうしたの?」 「ん、俺チャリ通。」 「へ~、そうなんだ。」 荷台に座るのがずっと夢だった。 初めてが君の背中だなんて夢のようだった。 君の裾に、触れる前に 君の背中に抱き付いて良いの? “ガシャン!!” 「後ろに乗る?」 「…………。」 「プッ。」 君はあたしに手を差し伸べた。 それに戸惑うあたしの手を、そっと引いてくれたのは貴方だったね? それが、初めてなのに。 ずっと知っていた気がしたよ? 「乗るの!!」 「わっ…………。」 「行こうな?」 君の笑顔が、眩しかったよ。