「あっ!悪い…って神崎かよ!!最悪、不運が移るだろ!!」
トンッ
男が振り返った拍子に隣で階段を上っていた女子に当たった。
私のせいで、もう怪我なんてしてほしくない!!
私は、その子を助けることしか考えていなかった。
「きゃーーー!!」
私は、女子の体を抱きしめ自分を下にした。
ゴンッ
まぁ、こうなるだろうな…
私は、頭を打ってしまった。軽い脳震盪だろう。
さすがに、起き上がれない…
でも、かばった女子は大丈夫そうでよかった。
「神崎さん、大丈夫!?だ、誰か先生呼んできて!!
神崎さんが私を庇って、階段から落ちて…」
あっ、やばい意識が朦朧としてきた。
フワッ
誰だろう?凄く心地がいい。
この感覚いつぶりだろう…
そこで、私は意識を失った。
「ん…、ここ何処?」
あれ、この子さっき庇った子…
ずっとそばにいてくれたんだ。
「やっと、起きたんだな。
なかなか起きないから焦ったよ…」
え~と、確か宮澤 晴翔(ミヤザワ ハルト)だよね?
「ここまで運んでくれた人って、宮澤君?」
私は、みんなに距離を置かれているから
正直、そばにいてくれることが嬉しかった。
でも、特別な存在を作ってはいけない。
まだ、あいつが許さない限り…
「俺の名前知ってたんだ!
あの時、たまたま通りかかって誰も連れて行こうと
しなかったから運んだだけだし♪」
私はこの言葉が嬉しくて気づいたら泣いていた。