振り返った相良は七瀬と目が合う
座っていた相良が
立っている七瀬を見ると
自然に上目遣いになる




「お前、目、でけーなあ
男にしとくのもったいねえ」




呆れ果てた相良はため息を一つついた




「………所長ってそっち系なんですか?」





「そっちってどっちだよ」







「…………男、口説いて楽しいですか?」







「バカ言え!俺は根っからの女好きだぞ」






「じゃあ、欲求不満なんじゃないんですか?」




「………葉ちゃん、冷たいなあ、俺、お前の上司だぞ」



「そういうヒエルラキー、嫌いです
………本当に、所長って、女が好きなんですよね?」





「だから、そう言ってんじゃん」




七瀬は相良の頭に右手を乗せて
サラサラの髪をかき乱した




「うわあ、やめてください!」




「葉ちゃんの髪は柔らかいなあ」






「セクハラですよ!!」