「れんちゃん………でも、うちはいい加減な気持ちで付き合ってたわけちゃうよ」
「そんなことわかってるよ
そんなに器用じゃないでしょ?」
「それに、あの時は………」
「ん?」
「探偵になりたくて、悩んでたし………」
「そうだったね」
「ちゃうちゃうん、そうやなくて
探偵なんてあかんやろ」
「えっ?どういうこと?」
「れんちゃんは立派なお医者さんなのに
うちは、怪しい探偵なんて………」
「そんなこと、悩んでたの?」
「そんなことってなあ?
それに、けっ、けっ、けっこんとなれば
尚更やん」
「ふうん」
「ふうんって、いい加減なやっちゃなあ」
「いや、僕と結婚する意思はあるんだなあって」
「なにゆうてますの、今の問題はちゃうやろ」
「仕方ないよ、恋なんだから」
「えっ」
「恋なんだから、仕方ないよ」
「…………おこちゃまめ…………」
「ふふ」
「どうして、そう単純なん?
ススキのように軽く流してるやろ
友達甲斐のないやっちゃね。
全然真面目に考えてへんがな」
「考えてない」
「たくもう………」
「たくもう?家にあがるときは?」
「それは、たのもう」
「はは、冴えてきた」

