「なにを言い出す」

「・・・ミソラさまに刃を向けている男を見て思ったんだ。俺は、もともとそっち側の人間だ」





吐き出すような声。
私は、身動きが取れない。


どういう、事・・・?



逃げ出すこともできずに、聞きたくない声を聞く。




「・・・何年経ったと思っている」

「何年経ったって忘れられることじゃないだろ。お前だって、忘れたわけじゃないだろ!俺が、ユキにしたこと!俺が・・・、ユキを殺そうとしたこと」




ガタっ



思わず立ててしまった音に、カイとお父さんが顔をあげた。




「あ・・・」


「ミソラ・・・」

「ミソラさま」



私は、思わずその場を逃げ出した。