「・・・さすがだな」



お母さんに縛り上げた男たちを見てカイが呟く。
お母さんは私とカイの縄を外してくれる。




「カイは、情けない姿になってるけど」

「あのなぁ!こっちは一人で人質を取られてたし、仕方なかったんだよ」

「はいはい」

「ていうか!どこの王妃が自ら先頭きって出陣してんだよ」




気づいてしまった。
カイが、私に一度も振り向いてくれない理由。



カイが、誰を見ているのか。




カイの視線の先・・・。





「大丈夫よ。フランだって来ているし。フランもそろそろ外の奴らを片付けてるところよ」

「そういう問題じゃねぇって。何かあったらどうすんだよ」

「私は強いもの。知ってるでしょ?」



カイは、お母さんのこと―――――。